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2011年2月26日 (土)

ピュアオーディオの本質を考える

いわゆる純文学というものには、作家の深い洞察によって
人間や世界の本質と問題をあらわにする他に、
文字という要素だけで世界を構成し、その世界を現実以上に
ありありと見せてくれる特徴がある。

そして、後者に関しては、作家独自の巧みな技法と、
そこから浮遊した世界に美を感じる事がある。

学生時代、この文学で感じた美と、
ピュアオーディオは何か通じるものを感じた。



通常、音楽というものは、楽器があり、奏者、
歌手がいて初めて奏でられる。

そこには、ハッキリとした存在がある。

そして、聞き手は奏者の音の他に、
奏者の姿、様子、他の観客の様子、会場の空気感等、
様々な情報を通して音楽を体験をする。

しかし、ピュアオーディオはまるで違う。
スピーカーを除き、空間には何も存在しない。

ピュアオーディオはそんな何もない空間に、
音だけで見事に世界を浮かび上がらせて、リスナーと対峙させる。

2本のスピーカーの間にスッと定位して響き渡る歌声、
小さい音ながらも刻み続けるシンバル、床面を揺るがすようなコントラバス。
まるでそこに奏者がいるかのような生々しい音。

奏者が見えるような音で、
手を伸ばせば触れられそうな不思議な感覚・・・。

無い世界を一瞬で有へと切り替えられるこの行為は、
ピュアオーディオならではの醍醐味だろう。


しかし、ピュアオーディオの本質はさらに深くにあると考える。

音だけの世界、すなわち、それは音以外の情報を
捨て去った世界である。

それゆえ、他の情報に埋もれていて感知し得なかったわずかな音色の違い、
音の形や低音の衝撃、細かな表現技法や音楽のダイナミズムが際立つ。

それら純度化された音に対して、人間の持ちうる全神経を研ぎ澄ませて
向き合うとき、突如音楽の顔が現れる。

それは文学のように文字だけで世界を表現しきった時のあの、
作者の世界を生々しく見るような感覚と同じように、
洗練された音によって、作曲者、歌い手の表現せんとする世界が
突如ぽーんと顕現する。

ここに、ピュアオーディオの本質と美がある。

この世界を垣間見てしまったゆえ、ピュアオーディオの
虜になってしまった人は多いだろう。

私もその一人だ。

ピュアオーディオというものは、無の空間から世界を構築し、
かつ音楽の神髄に触れられる現代の技術が生み出した
新たな音楽様式である。

私は、これを一つの芸術であると思っている。

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[後記]
文章表現が稚拙すぎて恥ずかしいのですが、
以前から思っていたことを書いてみました。

このような思いは、大学2年頃・・・今27歳なので、かれこれ7年前でしょうか、
オーディオに凝り出した大学の時から、ピュアオーディオの持つ
独特の世界は何なのだろうと思ったときから始まりました。


文学を読んでる最中に、まるでオーディオを聞いてるような感覚に
陥ったり、逆に音を聞いてるときに本を開いてるような感覚になることが
しばしありました。
特に、本・オーディオに真剣に向き合っていればいるほど、
文字や音楽を超えた共通する感覚(世界?)がパッと体の奥からわき上がり、
そして純粋な世界をとても美しく思えてしまったのです。

音楽と文字は異なる情報(媒体)ですが、どちらとも単一の情報によって
構成される疑似世界であり、そこから感じ取っている世界は最終的に
同じなのではと思っています。

いまでこそ、かなりのオーディオシステムとなってしまいましたが、
この感覚を初めて得たのは大学生の時で、システムも入門レベルでした。
(スピーカーは実売3万円程度のものでした。)

ただ、スピーカーはスタンドに乗せてセッティングを詰め、
聞くときはノイズ源(PCやらテレビ等)を落として聞くなどの
オーディオ鑑賞としてできることはしていました。

そんなシステムでも、時折ふっと歌い手が「現れる」ことがあり、
その現れた世界が純粋に楽しかったのです。

(システムのレベルが上がると、それはさらに
容易になり、大きなスケールへと変化します。)

今はピュアオーディオは敷居の高いもの(私自身も未だにそう感じてます)と
なってしまい、一部の人だけがやる趣味となっています。
(昔はそうではなかったらしいですが)

まぁ、衰退をとりまく背景は色々あって、当然そうなっても仕方がない
状況だと思うのですが・・・この趣味で少しでも良い時間を過ごせる人が
増えたらいいなぁと思っています。

hayate

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コメント

hayate◆yagamiCK6k様

はじめまして!
以前にハイエンド機器でアニソンを聴いている人がいるなぁと探していたところ、こちらに辿り着きまして。

今回、ピュアオーディオに関するhayate◆yagamiCK6k様の高論を拝読し、共感と改めてオーディオ面白さと奥深さを学んだ感じなので、記念カキコさせて頂ければと。

hayate◆yagamiCK6k様が聴かれるメインはオーケストラなのかなと思うのですが、お互い共感できそうな話題で言うと、水樹奈々さんのETERNAL BLAZEの出だしの部分で、何もない空間から奈々さんの声が繊細かつ力強くフッと出てきたときには、ゾクッとしますよね。

私はBBCモニター系スピーカー(Rogers Ls3/5a等)とジェフローランドとJOBで、けいおんや東方アレンジ等をうにうに聴いてます。
hayate◆yagamiCK6k様とも近い28歳なので、話が合いそうな予感です。

これからもブログ楽しみにし、
また、遊びに来させてもらいますね。
ちなみにツイッターはやってないのです。

投稿: シマー | 2011年2月28日 (月) 23時37分

シマー様

当ブログをご覧頂きありがとうございました。
また、コメントありがとうございます。

初めてこのような記事を書いてみましたが、
表現が難しいと痛感しました。
(締まりが上手く書けていないので、
 近々修正するかも知れませんw)

それにもかかわらず、シマー様に感じて頂ける部分が
あったようで何よりです。ありがとうございます。

ETERNAL BLAZEは良いですよね!
アニソンの中でも、試聴時のリファレンスCDとしていまして、
特に低音の表現をチェックしています。

(うなるように動くベースと鋭いギターの一体感、
 背後でキラキラ光るようなピアノが素敵で、
 これを綺麗に出す組み合わせを一時期探求していました。
 水樹奈々の曲の中でも録音の良い方だと思いますし、
 曲自体も好きです。)

アニソンは他に坂本真綾、ガルデモ等々、
気に入った物であればなんでも聞きます。

メインソースは気分(または周期)によって変わります。
クラシックばかり聞いてる期間もあれば、
アニソンばかり聞いてる時もあります。

クラシックはどちらかといいう、弦楽が一番多く、
オーケストラ(マーラー、チャイコフスキー、
ベートーベン、ワーグナー等)や
AVALONを導入してからはピアノを聞くようになりました。

シマー様はジェフローランドとJOBをお使いとのことですが、
プリがジェフ、パワーがJOBでしょうか。
非常に興味のある組み合わせです。
JOBはスピード感のある締った音で、
妙な付帯感も無いため、GOLDMUND特有の音が嫌いな方でも
十分楽しめる良い機材ですよね。

更新頻度がまちまちなブログですが、
これからもよろしくお願いいたします。

hayate

投稿: はやて | 2011年3月 1日 (火) 21時58分

確かにETERNAL BLAZEを全体的に美味く聴けるシステム構築は難しそうですね。現在お持ちのシステムですと、ボーカルとピアノが特出して良い感じでしょうか?

坂本真綾だとヘミソフィアが好きで、
ガルデモだとKeep The Beats!を持っていて、1曲目とアコースティックの6曲目は試聴時のリファレンス曲です。

AVALONの演出するステージ空間の表現は素晴らしいですよね。ただ美音に奏でるのでなく、奏者の熱意が伝わってくるし。音も早いし。

私はオーディオ暦2年で中古でしか買えてないのですが、
CDPはPHILIPS LHH900Rで、プリがJEFF ROWLAND CONCERTO PRE、パワーがJOB 300です。

仰るとおりJOBはスピード感があり、有無を言わさず高域から低域まで音を飛ばしてくれます。あと透明度も高いですね。

JEFFのsynergyシリーズ以外のモデルは打ち込み音源も得意だと思ったので、聴くソースとスピード感とデザインで選びました。 (笑)

私はボーカルをメインとした音の早いシステムの構築を目指しており、CDPのスイングアームメカとスピーカーで中域を特出させています。

パワーを直近で考えようか悩まれてましたよね。
率直なところ、システムにAVALON Diamondを入れられる方だったらFM Acousticsが射程圏内かと思いますので、おすすめしますよ。
もう、何とも言えぬ・・・非の打ち所が無い代物かと。
たぶん、パワーアンプで買い替えを悩むことは無くなりますよ。(w

投稿: シマー | 2011年3月 2日 (水) 23時39分

シマー様
早速のコメントありがとうございました。

オーディオ歴2年でセパレートとは凄いですね。
大抵は国産プリメインから国産アンプへのグレードアップ・・・
と行く事が多いですが、しっかりとした基準で
選択されてる点が素晴らしいです。

(JEFF×JOBやムンドは正統系な組み合わせの一つですが、
 経験を積んでこそ分かる組み合わせでもあるので、
 2年わずかで選択された見識の高さには恐れ入りました。)

私がAVALONを選択した理由ですが、以前オーディオショーで
AVALON Isisを聞いた際に、単純に音に惚れてしまった
ためですw

オーディオショー以後、AVALONを含め各社の様々なSPを
聞きましたが、ピアノの再生音が満足できること、
シマー様が仰るように綺麗だけでなく熱い音が出せることが
AVALON導入の決めてでしょうか。

特にライブ音源では、AVALONの高S/Nによって、
ライブ会場のフロアノイズさえも再現し、会場の生々しさを
体感できることに驚きました。

ソナスのガルネリはオーケストラや大編成のソースを捨てて、
完全に女性ボーカルの柔らかさと美しさだけを狙って
導入したのですが、AVALONはジャンルを問わず再生できる点が
素晴らしいです。

FMアコですが、恥ずかしながら音を聞いたことがありません。

ただ、気になるアンプでもありましたので、以前、
ショップでAVALONとのFMアコの組み合わせについて
訊ねてみたことがありました。
そこでの回答は、ムンドに比べてFMアコは周波数帯域を狭く
(絞っていて)、広帯域再生を得意とするAVALONとの組み合わせは
難しい(好き嫌いが分かれる)とのことでしたので、
取りあえずは手持ちのムンドを使い続けようという背景が
ありました。

ただ、実際に自分で聞いてみないと分からないので、
いずれは試聴を・・・と考えています。
(FM811系を聞ける機会はそうそうないと思いますがw)

hayate

投稿: はやて | 2011年3月 5日 (土) 19時46分

はじめまして、hayate◆yagamiCK6k 様

アニソンとオーディオを両立されている興味津々なblogということで書き込みさせて頂きます。
FIXさんの『Pure』以降、オーディオショウでもアニソンを聴く機会が少しずつ増えてきている昨今ですが、まだまだ認知度は低く肩身の狭い思いをする音楽ジャンルですのでこういったblogを見つけてしまうとすごくうれしく感じてしまいます。

>そんなシステムでも、時折ふっと歌い手が「現れる」ことがあり、
その現れた世界が純粋に楽しかったのです。

この節、共感するところがあります。
録音や環境によりますが、なかなか天使を降臨させることは難しいですね。
自分の目指す音楽再生にできるだけ近づきたいとセッティングするのですが、なかなか思うようにはならない、、、

オーディオにはつらい季節ですが、hayateさんの組んでおられるシステムからは爽やかな音楽が流れてきそうですね。

それでは。

投稿: 蟹 | 2011年8月 1日 (月) 21時15分

蟹 様

当ブログをご覧頂きありがとうございます。
そして、ご丁寧なコメントを頂き大変嬉しく思います。

ピュアオーディオ×アニソンという趣味ですが、
仰る通り、非常に人口の少ない趣味だと認識しております。
(そもそもピュアオーディオ自体が少なく・・・)

最近は、オーディオユニオンさんもアニソン部を作り、
アニソンとピュアオーディオを盛り上げているようなので
是非とも頑張って欲しいところです。

(私もアニソン×ピュアオーディオを盛り上げたいと
 考えているのですが、良い策はまだ思い浮かばずですorz)

 

スピーカーの存在を消してどう天使を降臨させるかは
オーディオの醍醐味でもあり、難しい所でもありますね。

私がオーディオを始めた頃はブックシェルフのスピーカーを
使用しておりまして、そして何度も移動させ、
どうしたら良く聞えるか繰り返しました。
 
(試行の末、ボーカルがスッと浮き出るような感覚に驚き、
 ここまでに至ってしまったいました。)

個々の環境(主に部屋)が異なるため、
共通のセッティング解が無いところが悩ましいですね。
そのため、スピーカーの位置や聞く位置を何度も変更して試すことが
現実的な手法だと思っています。

現在はこのご時世もあり、基本的にアンプを消して節電しています。
だた、時折スピーカーを通してアニメやアニソンを聞くと
穏やかになれます。

 
蟹様のオーディオライフがより良いものとなることを
お祈りしております。

更新が少なめなブログですが、
今後ともよろしくお願いします。

hayate

投稿: hayate | 2011年8月 2日 (火) 21時41分

こんばんは、hayate◆yagamiCK6k 様

>そもそもピュアオーディオ自体が少なく・・・
hayate様は以前のblogで東京インターナルオーディオショウの写真を掲載されておられるようですから関東の方でしょうか?
私は関西ですので大阪ハイエンドショウへ良く足を運ぶのですが、3日間開催と言うこともあり、会場内は過密状態ですが、年齢層がかなり高くなっているのが現状でしょうか。
この趣味を始めたのが学生の頃、あのころは再生される音に驚きもしましたが、価格にも度肝を抜かれました!!

しかし、社会人となった今、そのコンポーネントを買える所得にあるかと言いますと、全く現実は厳しいものです。
それらを考えると、年齢が高くなってしまうのも仕方のないことなのかもしれませんが、寂しい。
しかし、何度か東京のショウに行きましたが、大阪に比べ東京は私と同世代らしき方々が多かったことに驚きました。
アニソン部という存在にも興味を惹かれますね。


>試行の末、ボーカルがスッと浮き出るような感覚に驚き、
 ここまでに至ってしまったいました。
一種の麻薬か快感か、、、
これに至る道のりは長けれど、その行程も楽しく、辿り着いた音色にも癒やされる。
泥沼と言えばそれまでですが、楽しい趣味であります。


>現在はこのご時世もあり、基本的にアンプを消して節電しています。
はい、私は毎年夏場は暖房器具は切るようにしています(^^ゞ
それにこの日程は来週開催される夏のコミックマーケットのカタログチェックでオーディオも優秀録音盤のことも少し忘れがちに、、、

こちらこそ、少しでも楽しいやり取りができればと考えていますのでよろしくお願いします。

それでは。

投稿: 蟹 | 2011年8月 2日 (火) 22時50分

蟹 様

ご丁寧なお返事ありがとうございました。
今夏のコミケはお楽しみになれたでしょうか。

(お返事が大変遅くなり申し訳ございません。)

蟹 様は関西ご在住なのですね。
私はお察しの通り、関東に住んでおりまして、ほぼ毎年のように
インターナショナルオーディオショーへ足を運んでおります。

同じメーカーでも、ショーの年によって、セッティングや
組み合わせ機材が変わり、それによって音が大きく変化します。
メーカーの音の傾向をつかむためには、何度も(複数の環境で)
聞く必要があると数年目でようやく理解しました。

そのため、気になるメーカーのイベント等には
なるべく参加するようにしています。
(雑誌やネットの情報より、実際に聞くという事が
 大事だと思っています。)

年齢層の件ですが・・・ピュアオーディオの場合、関東でもやはり
ご年配の方が多いです。
それに比べて、フジヤエービックさんが主催しているヘッドフォン祭りは
世の中には音に拘る若者がこんなにいたのか!と
驚くほど、超満員・大盛況でした。

世の中は、どんどんとヘッドフォン・イヤホンへの
流れに向かってるのだと思います。

ただ、オーディオユニオンさんのアニソン部で開催されている
オーディオイベントの参加者はほぼ全てが若者で、
ピュアオーディオに興味のいる人も多いのもまた事実だと実感しました。

関西ですと、アサヒステレオセンターさんはアニソン試聴大歓迎と
店員さんが仰ってました。 
中の人ブログ→ http://tatsumi.audio-asc.co.jp/
(既にご存じかもしれませんが・・・)

今期のアニメはまだほとんど手を付けてなく、
どのCDを買うかの見極めも付いていない状態ですw

とりあえずゆりゆらら大事件は癖になってしまいましたので、
音質抜きにポチろうと思います。

今後とも拙ブログをよろしくお願いします。

hayate

投稿: はやて | 2011年8月21日 (日) 01時43分

こんばんは、hayate◆yagamiCK6k 様

>夏コミ
久々に関西以上に暑く感じました。
例年であれば、関西は蒸し暑いので関東は湿度が関西に比べ低い分、それほど暑く感じないのですが、私が行った週は東京も蒸し暑かったですね。

ですので、今回は体のことを考えて企業ブースを諦めたり、サークル数を減らしたりして短時間で廻ってきました。

それでも良い同人誌や音楽CDは多く入手してきましたよ。


>アサヒステレオセンター
いやあ、店の存在は知っていましたが、大阪へはあまり出かけないのでこの話は知りませんでした。
新規開拓を諦めた訳ではありませんが、行きつけの店ができてしまうと落ち着いてしまって、そこから動こうとしないと言いますか、、、

でも試聴会には出かけるようにしていますから、オーディオ情報アンテナはなるべく広くするようにしています。
先週発売されたオーディオ雑誌に秋のショウの日程も告知されましたし、今季もなんとか仕事の合間を縫って予定組まなければ。

それでは。

投稿: 蟹 | 2011年8月24日 (水) 22時49分

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