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2013年1月27日 (日)

高垣彩陽「melodia」、AVALONを通して聞く

こんばんは、hayateです。

昨年は駆動部分の大がかりな導入が終了し、AVALON DIAMONDシステム
構築も一段落しました。そして、システムの連結によるエージングが進み、
システムの特徴、及び各コンポーネントの特徴がより明確になってきました。

今年はソフトの充実と、そして新たに明らかになった機器の素顔を
レビューして行ければと思います。更新頻度は落ちると思いますが
よろしくお願いします。

今回の記事では声優 高垣彩陽(たかがき あやひ)さんのミニアルバム
「melodia」のレビューしたいと思います。

ところで、なぜ高垣彩陽さんの話題を出したかというと、彼女は声優界に
おいて水樹奈々さんの他にもう一人君臨する歌姫だと確信していまして、
その歌声を収録したCDをAVALON DIAMONDシステムを通じて
しっかりと評価したいと考えたからです。

彼女の歌声は水樹奈々さんとはベクトルの異なる声質ですが、
コンサートの時はサイリュームを持った観客全員の動きが止まるほどの
素晴しい歌声で魅了します。

彼女の歌声を自宅でどこまで「再生」できるか。これも私のシステムでの
一つの目標・目的でもあります。この実現には録音、マスタリング等の
製作側の要素が極めて重要になってくるため、手持ちのハードだけでは
難しい面もありますが、システム完成の最初の一枚としてレビューします。

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高垣彩陽「melodia」レビュー

Melodia

 -はじめに、高垣彩陽について-

 高垣彩陽、私が彼女を知ったのは、アニメが先で、true tearsでの
 ヒロイン役としてであった。その時にはいち声優としての認識でしか
 無かった。ところが、2010年初め、戸松ちゃん目当てで声優ユニット
 スフィア(sphere)のライブに行った際、彼女、高垣彩陽の本領を垣間見た。

 小さな体から発しているは思えない程の、抜群の声量感、
 ダイナミックレンジの広大さ、ビブラードの美しさ、音程の安定感。
 私はその歌に驚き、そしてどこまでも伸びる声に思わず恐怖すら感じた。
 この感動は彼女の生歌で聴くと極限にまで高められるだろう。

 ※後で知っだが、高垣彩陽は音大で声楽を専攻していたとのこと。
 
 彼女の持ち味は爆発力のある声量で、そこに格調高き響きが乗ってくる点だ。
 水樹奈々の生歌も数度聴いたが、その力強い響きとは異なり、発音点が
 ピンポイントでそこから爆発的に歌声が伸びる。これは私のAVALON DIAMONDに
 通じる部分がある。今回は、そのAVALONシステムで高垣彩陽「melodia」を
 レビューする。

-ミニアルバム「melodia」レビュー-

 このアルバムは声優 高垣彩陽というより、歌手としての高垣彩陽に
 対してスポットを当てたものである。彼女はこれまでにアニメ主題歌や
 キャラソン、そしてスフィアとして何枚ものCDを発売してきた。
 その歌唱力は確かに他の声優とは群を抜くものであったが、アニソンという
 表現の範囲からは抜け出ていなかった。
 なぜならば、アニソンでは、多用な楽器や人工音、他のメンバーと調和し、
 時にキャラボイスで歌うことが求められるからである。彼女は周囲への
 適応力が高いため、これまで十分すぎるほどその要求に答えてきた。
 だが、それゆえ、これまでのCDはアニソンの域を抜け出る歌唱力を
 示さなかった。(*1)

 今回のこのアルバムはいわゆるアニソンではない。歌劇や名曲をカヴァー
 する構成となっていて、歌手 高垣彩陽としての歌唱力を示すことなった
 初めての作品となっている。
 このディスクは7曲が収録されていて、それぞれ系統の違う曲である。
 その異なる曲で彼女の歌唱力・表現力の豊かさを見ることができる。
 透明で美しい声、清涼感、躍動感、荘厳さ、彼女の持つ多用な魅力が
 たっぷりと詰まった一枚である。

 音質としては、8点/10点。優秀な部類に入る。彼女の表現を丁寧に収録する
 ため、音質はクリアーでS/Nが良く、音場も彼女の声域の分に十分広く
 展開する。伴奏がチープな点は欠点だが、声を重視をするとそれは
 どうでもよくなってしまうほどだ。
 
 定位感は良好。全曲を通して、2本のスピーカーの奥深くにしっかりと
 定位し、そこから放射状に彼女の歌声が降りかかってくる。この定位の
 仕方はAVALONと相性が良く、その降りかかる際の響きが何とも美しい。

 本題の歌声自身には妙な小細工はなく、艶めかしい程の声色を
 聴かせてくれる。小音量の舌使いもうまく収録されていて、それが空間上に
 ふわりと展開される。高垣彩陽の歌のテクニックを見られる出来だ。

 5曲目のQuel Guardo Il Cavaliere (歌劇「ドン・パスクワーレ」) では、
 彼女の繊細な音程の動きを的確に収録し、麗しき歌声を惜しげになく
 披露してくれる。彼女の音域の豊かさ、帯域の広さの片鱗を僅かながらも
 堪能することができる。そして、この繊細な声使いは、他のアニソン歌手
 では味わうことができない。

 6曲目の「Time To Say Goodbye」は特筆に値する。
 その為、オリジナル曲と比較した。比較対象は言うまでもなく
 サラ・ブライトマン。だが、正直、サラ・ブライトマンは上手すぎて、
 比較するには分が悪い。しかし、それでも聞き比べたくなる歌声が収録
 されていたからこそ・・・での比較であった。
 聞き比べると、なるほど、声色の深さやクレッシェンド、開口の技法など
 歌手としての表現のレベルがまるで違う。
 
 しかし、歌声の根柢にある安定感は高垣彩陽が上で、そこに金色のごとく
 光輝くビブラードが乗っている。その時、歌声は2本のスピーカー間の
 奥深くからスピーカーの外側まで広がり、空間が彼女の声で満ちあふれる。
 声の振動は極めて短く且つ鋭く、そしてプリのCriterionを通すと、その
 振動の一つ一つの波が美しくうねる。

 水樹奈々で高音質曲である「THE MUSEUM II」の17曲目、
 「SUPER GENERATION -MUSEUM STYLE- 」と比較すると、
 高垣彩陽の表現の質がさらに浮き彫りとなる。
 水樹奈々の声は強烈な芯の強さを土台にして、その響きまでも彼女の
 力強さで支配している。雷のような強さ、響きと言っても良いだろう。
 一方高垣彩陽の声は、発声は一瞬強いものの、その後の響きは空間を、
 周囲にある空気をふんだんに活用していて、流麗に響き渡らせる。
 彼女の口先から放たれた歌声を自然界に委ねるように柔らかく、
 優しさを保ちながら。

 この「Time To Say Goodbye」 は高垣彩陽の持つその優しさ、
 しなやかさをうまく納めている。よくぞここまで収録してくれた。

 さて、ここで敢えてネガティブな事を言わなければならない。それは、
 高垣彩陽の歌は、CDでは本領全てを味わうことができない。
 私のシステムでも恐らく彼女の持ち味の50%すら味わえない。これは、
 製作側に起因する。なぜなら、彼女のCD全般で、声量(ダイナミックレンジ)が
 極端に狭められているからだ。

 このアルバムでは、演奏・伴奏の音量が高めで、その音量を基準に彼女の
 声量が調整されている。そして、彼女自身がCDの収録向けということで
 音量を調整している雰囲気がある。このため、2点減点せざるを得なかった。
 彼女の一番の魅力である爆発的な声量が納められていないのは、
 とにかく残念で仕方がない。

 それでも、その狭められた声量の中でも彼女はギリギリの限界まで
 表現している。この制約での表現は、彼女が単に声量の勢いに任せる
 タイプではなく、限られた環境下でも彼女の技巧と麗しき歌声を披露
 できる才能を意味している。彼女は本物だ。
 そして、このアルバムは、これまでの多くの人が認識していなかった
 高垣彩陽の別の魅力を見いださせる一枚となったと認識している。
 
 今回は惜しくもその声量感が含まれていなかったが、明瞭な伴奏に
 支えられて、確固たる歌い手の高垣彩陽の存在を十分に拾うしてくれる
 良い出来となっている。
 人工音等も音量を上げても破綻はせず、音量を上げるにつれて
 気持ち良くなれるCDの一つである。

 私としては今後発売されるアルバムに、彼女の格調高き爆発のある
 声量を期待して、今回のレビューを締めくくりたい。

-----

 (*1)はなまる幼稚園のキャラソン「キグルミ惑星」は別格です。
   キャラボイス、キャラ声での歌、盛大な歌声が
   入り交じる奇曲で、聴く人を圧倒します。
   ご関心のある方は「キグルミ惑星」で是非ググってみてください。

今回のレビューは、音質メインというより、高垣彩陽さんの紹介とその才質、
そして、それを踏まえた上でこのミニアルバムがどのような出来になっているか
という観点で記載しました。(それゆえ、某掲示板の某スレへの投稿は避け、
このブログで綴ることにしました。)
彼女の生歌・素晴らしさを知っている身としては、CDの出来に関しては
かなり敏感になってしまい、少し批判的に記載しがちになっています。
しかし、声楽を学びそれを活かしている彼女への可能性はまだまだ未知で、
素晴しい声優・歌手に成長する可能性を秘めています。
これからの彼女の活躍に期待します。

PS:全然別の話ですが、アニメ「アイカツ!」のCDはTV音源と比較して
   相当化けました。
   好きな(癖になった)曲だけに、こういう良音質化は嬉しい限りです。
   詳細は、某掲示板の某ピュアAUスレをご覧下さい。

hayate

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コメント

こんばんは、hayateさん。

そうですよね、これだけのシステムを構築されたのですから後は音楽を存分に楽しまないと本領発揮できませんもんね。
実際この組み合わせで聴いたことはありませんが、音楽性に優れたコンポーネントと情報量に優れたコンポーネントがうまく織り込まれたシステムと感じられますので、どのような音楽にも十分対応できる素晴らしい仕上がりではないかなと思います。

高垣彩陽さんは一度ライブで聴いたことがありますが、他とは全く違う声の出し方に驚いた記憶があります。
その時に私も音大出身であるということを耳にし、「なるほど」と納得をしました。
ただ、やはりライブです。観客の声援の方が歌声より勝っており、ゆっくりとは聴けませんでした(^^ゞ
まあ、ライブならではの楽しみといったところでしょうか~
ゆっくりアニソンを楽しむには自宅システムが一番!?

さて、コンポーネントに一段落を付け、今後は音楽CDの充実とのこと。
音楽についても情報交換致しましょう。

私事ですが、長年使い込んできたプリアンプに別れを告げました。
理由は気に入った気に入らなかったと言うことではなく、所有機器をできる限り絞り込み、今あるシステムの最高の音色を引き出そうと決意したからです。
色々なことを学んだプリアンプでありましたので、ラックから消えたときは未だに寂しい気持ちで一杯になりますが、これも新しい一歩かなと考えています。

それでは。

投稿: 蟹 | 2013年1月30日 (水) 21時34分

彩陽さんはほんとアニソン歌手って感じではないですね
水樹奈々さんと双璧を成す存在ですが個人的にはどうしても水樹奈々のが好きですけど…

投稿: | 2013年2月 1日 (金) 20時57分

こんばんは、蟹 様

コメントありがとうございました。
お返事が大変遅くなり恐縮ですが、今年もよろしくお願いします。

蟹様はプリアンプを新たに導入されたようですね。音調をつかさどるプリを
変更されることは、相当の決意が必要だったと思います。(私的にはプリは
スピーカーの次に音の方向性を決めると考えています。) 蟹様はそれだけ
魅力のあるプリアンプに巡り会えたのだと推測します。おめでとうございます。

高垣さんの生歌をお聞きになったことがあるのですね!あの歌声はCDでは
聴くことができない迫力なので、少しでもあの歌声を共有できることは
大変嬉しく思います。蟹様の会場では歓声が凄かったご様子で・・・
私は2回生で聴きましたが、観客は皆聞き惚れていました。
観客の反応は曲や場所によって違う事を知り、勉強になりました。

自宅で聴くアニソンですが、やはり良いです。シングル盤の場合は
プレイヤーへの出し入れが少々面倒ではありますが、システムが美しい音を出す
ので、一曲一曲じっくりと魅了されながら聴いています。
私の場合、アニソンを選ぶ基準は音質メインというよりは、放送中のアニメの
OPEDやサントラで気に入ったものを買うという具合でして、音質は二の次という
感じです。
そのため、しばし音質が残念な物もありますが、曲が好きなので愛聴盤となる
率が高いです。高音質と評される曲より、どうしても好みの方が先攻してしまい
ますが、これもオーディオファイルとしてのあり方の一つでも良いのではと
感じています。

長々としたコメントになってしまいましたが、今後ともよろしくお願いします。

投稿: はやて | 2013年2月11日 (月) 21時46分

名無し様

こんばんは、hayateです。

この度はコメント頂きありがとうございました。

仰る通り、水樹さんと高垣さんはアニソン界で双璧を成す歌姫だと思います。
ブログを書きながら、高垣さんの歌を聴き、そして水樹さんの歌も聴きましたが、
水樹さんはやっぱり上手いなぁと感心してしまいました。

一定のレベルを達すると、あとは表現の好みで聴くディスクが決まってくるのだと
感じています。

今後ともよろしくお願いします。

投稿: はやて | 2013年2月11日 (月) 21時54分

こんばんは、hayateさん。

ライブならではの楽しみというのはありますよね。
迫力もさることながら、回りの雰囲気に飲み込まれてほろ酔い気分になることもしばしば。


今回のプリアンプの選択は音色勝負といったところだったでしょうか。
手放したプリアンプの方が情報量は圧倒的に上でしたが、現在使っているプリアンプの方がしっくり来る感じだったんですね。

しかし、難しいものです。
求めている音色に近ければ良いはずなのですが、逆に出ていない組み合わせの方が、「いや、このコンポーネントの本領はこんなものではない!!」とか思い描いて、がむしゃらに鳴らしこみを研究してしまうものですから(^^ゞ

現在の組み合わせの方が断然良いはずなのですが、どこかオーディオ的に寂しさを感じてしまいます。

オーディオ趣味ってホント不思議なものですね。って、思うのは私だけか!?

それでは。

投稿: 蟹 | 2013年3月 1日 (金) 21時33分

こんばんは、蟹様

プリアンプ導入背景のご記載ありがとうございました。
音色を基準に選択されたのですね。情報量を犠牲にしてのご決断、
素晴しく思います。

と申しますのは、私自身、音色、情報量ともに捨てる事ができず、
いまだに二つのプリアンプを使っている状態でして・・・
蟹様の姿勢に潔さを感じてしまいました。

蟹様の問いかけを拝見し、オーディオに対する追求心が非常に高いと
感心致しました。そしてオーディオがお好きなのだと思いました。

オーディオシステムを研究しながら音楽鑑賞をする、という経験を
されていると、音が変化する楽しみと音楽自体の楽しみ両方を得ることが
できると思います。そのような方が満足行くシステムに到達すると、
オーディオ的な楽しみはどうしても失われがちになってしまいます。

オーディオを趣味とされる人にとっては、もどかしいと言いますか、
ジレンマが発生してしまうのは致し方ないと感じてしまいます。
難しいですね・・・
(そういう寂しさを解消するという理由から、サブセット、サブサブセットに
 向かう方もいらっしゃるのだと思います)

今回もお返事が遅くなり申し訳ございません。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: はやて | 2013年3月 8日 (金) 23時07分

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